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断魚渓(だんぎょけい)

邑智郡邑南町井原地内

断魚渓は国指定名勝にも指定された景勝地です.

地図

キーワード:渓谷 流紋岩 桜江層群 濁川 古第三紀

(執筆:月森勝博)


[みどころ | 交通 | 関連情報 | 指定 | 地質学的な意義]


みどころ

写真1

 断魚渓は、江の川の支流の濁川が流れる山間地にあり、侵食されてむき出しになった流紋岩の崖が約4.0kmにわたって連なる峡谷です。濁川には魚切りと呼ばれる大きな河床の段差が数箇所あります。濁川の河床断面を見ると、上下流とも緩やかですが、中間は、断魚渓をはさんで高低さ約70m以上にも達しています。陸地の隆起によって下流部の浸食が活発になり、今日の地形を形成しています。


アクセス

断魚渓へは、国道261号を川本町因原から邑南町井原に向かう途中にあり、行動261号から案内板に沿って脇道に入ります。遊歩道が設置されています。駐車場有


関連する情報

中国自然歩道「萩原山断魚渓モデルコース」紹介:http://www.pref.shimane.lg.jp/environment/nature/shizen/shimane/chugokusizenhodo/dangyo-senjyo.html

邑南町役場地域振興課  TeL0855-95-1116


天然記念物などの指定情報

断魚渓観音滝県立自然公園  昭和39年4月17日指定

国指定名勝 昭和10年指定


地質学的な意義

桜江町を中心とした地域では、新生代古第三紀中頃〜後期(4,400〜3,000万年前)に大地が陥没し、激しい火山活動が起き、大量の流紋岩溶岩と流紋岩質火砕流が噴出し、桜江町一帯(断魚渓は端部に相当)に厚く堆積しました。これらの火山岩類は、桜江層群と呼ばれています。岩質は硬く亀裂がよく発達しています。そのため、亀裂面に沿って侵食が進み、深い垂直的な崖面が形成されています。断魚渓も下図写真に示すような岩盤を深く侵食した溝状地形が特徴的です。このように水の流れによる自然の造形が見どころです。

写真2-5

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