[みどころ | 交通 | 関連情報 | 指定 | 地質学的な意義] みどころ
壇鏡の滝は、隠岐島後の南西部にある那久川上流に位置し、粗面岩の岩壁を流れ落ちる二条の滝であります。岩壁に向かって右側の滝を雄滝と呼び、落差が50mあります(写真1)。それに対し、左側の滝を雌滝と呼び、落差が40mあります(写真2)。このうち、雄滝は裏側から眺めることができるので、「うらみの滝」とも呼ばれています(写真3)。粗面岩の岩壁と緑に囲まれたこの滝は幻想的でさえあり、「日本の滝百選」および「名水百選」に選ばれています。島内では「勝利の水」「長寿の水」とも呼ばれ、島の闘牛大会や隠岐古典相撲大会に参加する者は、必ずこの水で清めて大会に望む慣習があります。 流域には、絶滅危惧2類の「オキサンショウウオ」が生息しています。
アクセス 島根県隠岐郡隠岐の島町那久地内 関連する情報 隠岐の島町 : http://www.town.okinoshima.shimane.jp/ 天然記念物などの指定情報大山隠岐国立公園第1種特別地域 地質学的な意義 壇鏡の滝周辺の地質は、今から550万年前に噴出した重栖層上部の粗面岩溶岩が分布しています。滝が流れ落ちる岩壁の大部分は粗面岩の溶岩から構成されますが、岩壁の麓には溶岩の下位の降下火砕堆積物が分布しています。岩壁の前に立つとその境界をはっきりと見ることができます(写真4)。降下火砕堆積物は溶岩に比較して軟らかく、浸食されやすいため、長年の風雨によって深くえぐられ、地質境界を境にオーバーハング状態となっています。このオーバーハングのおかげで「うらみの滝」ができたといえます。また、このえぐられた部分に壇鏡神社の社殿が建てられています。このため、社殿は粗面岩溶岩の屋根に守られているようになっています。社殿横では粗面岩溶岩と降下火砕堆積物の境界の様子が詳細に観察できますが、溶岩には節理が多数発達しているため、近寄るときには落石に注意してください。
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