[みどころ | 交通 | 関連情報 | 指定 | 地質学的な意義] みどころ写真1:北山中腹から見た浜山砂丘 出雲平野の西端の海岸沿いには出雲砂丘が南北に細長く分布しています。浜山砂丘はこの出雲砂丘から約2.5km東の平野の中に位置し、南北約2.5km,東西約1km,最大標高41mの丘陵を形成しています。浜山砂丘は、神戸川やかつて西流していた斐伊川によって運ばれてきて、海岸に堆積した大量の砂が強い西風で吹き上げられてできたものです。東斜面が急傾斜であるのに対し西斜面がなだらかな砂丘地形は、西風により砂が移動・堆積したことによるものです。 風による砂の移動が激しく、農耕の妨げになっていたため、1751年、当時は高浜砂丘と呼ばれていた浜山砂丘に井上恵助が私財を投じて黒松の植林を始め、20余年後には松林となりました。現在も浜山砂丘の大部分は松で覆われていますが、北側は島根県立浜山運動公園として競技場や体育館が整備されているほか、松林の中にも遊歩道やアスレチックが設けられています。西側の緩斜面などは宅地やブドウ畑などに利用されています。そのため、砂丘の内部を観察できる露頭はありません。 また、松が繁茂することで水持ちがよくなり、浜山砂丘の東斜面には大干ばつでも枯れない湧水が得られるようになりました。この湧水は市道浜山公園線の東側公園入り口近くの地点②にあり、砂丘の砂でろ過された地下水が、急勾配の東斜面の麓で地表に湧き出しているものです。湧水の水質は良好で「平成の名水百選」に選定されました。この湧水はカルシウムイオンと炭酸水素イオンを通常の地下水に比べてより多く含んでいるのが特徴です。現在、約50軒の住宅への簡易水道の水源として一日約300トンもの湧水が汲み上げられています。 浜山砂丘の周囲は、出雲砂丘の砂地が広がる北西側を除き、おおむね標高1~3mの低地になっています。東~北側の低地は菱根池という広い沼地でしたが、1616年からの大規模な干拓事業により現在は水田になっています。
アクセス一畑電鉄「浜山公園北口駅」から浜山湧水群まで約1.5kmです。 関連する情報浜山公園グループホームページ:http://www.hamayamakoen.jp/ 天然記念物などの指定情報「浜山湧水群」として「平成の名水百選」(環境省,2006年6月3日)に選定されました。 地質学的な意義出雲平野西部の砂丘は、形成時期が最終氷河期の前か後で古砂丘と新砂丘に分けられており、浜山砂丘は新砂丘とされています。最終氷期が終わり、海水面が上昇すると、現在の出雲砂丘東側から浜山砂丘南側にかけての地域は大きな内湾(神門水海)になりました。その内湾に流れ込んでいた斐伊川と神戸川は上流から多量の土砂を運んできたため、この内湾は次第に埋め立てられました。浜山砂丘はその過程で形成されたとされています。 |