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千丈渓

江津市桜江町〜邑智郡邑南町

千丈渓は国指定の名勝です。

地図

キーワード:渓谷 流紋岩 溶結凝灰岩 古第三紀 江津市


(執筆:月森勝博)


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みどころ

写真1

千丈渓は、八戸川の支流日和川が流れる江津市桜江町〜邑智郡邑南町の町境付近に位置しており、亀裂の発達した岩盤を侵食してできた峡谷が、比高差140m、延長4.8kmにわたって続いています。峡谷には大小あわせて24の滝や深淵が形成され、特に紅葉の季節には、見事な絶景を醸し出しています。峡谷を構成する岩盤は、新生代古第三紀に噴出した流紋岩やデイサイト等の火砕岩で構成されています。

写真2,3


アクセス

JR三江線川戸駅から車で15分、桜江町今田地内から日和川を上流へ3分。広い駐車場、トイレ有。林道や河床沿いの散策コース有(周遊3時間程度)。


関連する情報

江津市観光協会 Tel 0855-52-0534

島根県環境生活部自然環境課 shizenkankyou@pref.shimane.lg.jp

千丈渓のコース:http://www.pref.shimane.jp/section/keikan_shizen/model/model/senjiyo.html


天然記念物などの指定情報

昭和7年 国の名勝に指定。

昭和57年10月15日 千丈渓県立自然公園(3.40km2)

島根の名水百選(ふるさとの滝)第44番


地質学的な意義

千丈渓の地質は、3,500〜4,000万年前の古第三紀と呼ばれる時代に起こった激しい火山活動によって噴出し堆積した、流紋岩質の火山砕屑岩(火砕岩)類から構成されています。この岩石は、火山噴出物が赤熱した状態で堆積したため、砕屑物が熱で再焼結した溶結凝灰岩と呼ばれるものです。岩質は硬く、亀裂が多く発達しています。この亀裂に沿って河川の洗堀作用が進み、陸地の隆起に伴う上・下流域の段差形成も絡んで河川の両側に峡谷や滝が形成される過程は、千丈渓の名前の由来に大きく関わっています。

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