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鷹入の滝

安来市伯太町上小竹

滝の女神の伝説と共に、地元の人々に大事に守られている滝です

  1. 案内板のある分岐点
  2. 鷹入の滝の駐車場(トイレもあります)
  3. 鷹入の滝

キーワード:鷹入山 小竹川 かんな流し 名水 古第三紀


(執筆:山内靖喜)

地図
電子国土の地形図を利用

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みどころ

写真1

安来市伯太町と鳥取県日南町との県境にある鷹入山(標高706m)の中腹で、伯太川の支流の小竹川最上流部の標高420m付近に鷹入の滝(写真1)と呼ばれる滝があります。滝より上流には道路もなくうっそうと茂った木の間から流れ落ちる水がきれいです。

この滝では、高さ10mほどの花崗岩の岩壁を一筋の水が流れ落ちています。流れ落ちる水によって岩壁の岩肌は角が取れて丸みを帯びており、荒々しさを感じさせない滝です。滝壺の周りは平らに整地され、滝の女神を祀る祠があり、いかにも女神がふさわしい感じがする滝です。

鷹入の滝の手前には落差5m前後の滝が3つあります。鷹入の滝を本滝とし、上の2つはほぼ連続するので2つ併せて第二の滝(写真2)そして一番下の滝を第三の滝(写真3)と呼んでおります。第二と第三の滝の間から見上げますと、鷹入の滝までが見通せて、やはり険しい谷底と感じます。

写真2,3


アクセス

安来で国道9号線から県道9号(安来伯太日南線)に入り伯太川に沿って南下すると、県道105号の入り口に「鷹入の滝・上の台緑村」の標識があります。標識に従って県道105号を進むと、地図上の地点(1)に来ます。ここには案内板がありますが、同じような案内板が奥にもありますので、右折して250m程進むと駐車場(地点(2))があります。ここから鷹入の滝まで遊歩道が整備されていて、小学生でも歩けるようになっております。


関連する情報

島根県ホームページ中の「島根の名水百選」:http://www.pref.shimane.lg.jp/environment/kankyo/kankyo/mizu/meisui/


天然記念物などの指定情報

島根県の名水百選のうち“ふるさとの滝”に選定される(1985年)

環境省の“平成の名水”に選定される(2008年)


地質学的な意義

鷹入の滝を作っている岩石は古第三紀に形成された根雨花崗岩です。伯太川と飯梨川の上流域には古第三紀の花崗岩類が広く分布しております。これらの花崗岩の多くは著しくマサ化していたので、江戸時代から明治時代にかけては、人力で花崗岩を崩して流水中に入れ、比重の違いを利用して花崗岩に含まれている磁鉄鉱を採集しました。このような砂鉄の採集方法をかんな流しといいます。小竹川流域でもかんな流しが盛んに行われていましたので、現在集落ができている周辺にはその痕跡を示す緩やかな地形が広がっております。

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