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Mukoyoshi Lab.

 

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プレートの収束域に位置している日本列島には,断層が多数存在しており,地表に顔を出しているものも多くあります.それら地表に露出する断層の中には,地震性の滑りを生じさせるものやそうでないもの,過去の地下深部地震発生領域が地表に現れているものなど,多様なものがあります.

本研究室では,地質学的な手法を用いて,陸上に数多く露出している断層の中から,地震に関連する断層を見つけ出し,それらの断層が発するシグナルを読み解く研究をおこなっています.

具体的な研究内容について以下に示します.

 

陸上付加体中に発達する断層の断層岩研究

陸上に露出している古い付加体の中には,過去に地震発生領域(515 km)で形成された沈み込みプレート境界断層が露出している場所があります.これらの断層には,現世の沈み込みプレート境界で進行している地震発生過程を理解する上で有用な情報が記録されていると考えられます.日本国内に露出する付加体,特に四万十帯と呼ばれる付加体では,沈み込みプレート境界断層深部の断層岩に関する研究が最も盛んに行われています.

本研究室では,これらの断層を対象に,主に以下の研究を行っています.

1. 断層岩の空間的多様性およびそれらの多様性が示す力学的な性質の解明.

2. 断層岩の構造解析による、断層発達過程の解明.

3. 断層摩擦発熱レベルの解明.

4. 断層沿いの鉱物脈解析による、断層運動に伴う流体の流路および流体圧変化の解明.

PIC00004

陸上付加体に露出する断層@

PC220001

地震の化石(シュードタキライト)

図3

陸上付加体に露出する断層A

図4

断層によってシャープに切られている石英粒子

 

島根県周辺に発達する活断層の研究

2000106日に鳥取県と島根県の県境付近において,マグニチュード7.3の地震が発生しました(2000年鳥取県西部地震).この地震は,活断層の存在が知られていなかった場所で発生した地震として注目を集めました.この地震に限らず,山陰地方では,活断層が地表に現れにくく,伏在化しているものが多いと指摘されています(例えば 岡田, 2002

2000年鳥取県西部地震では,地震の10年ほど前から,地震発生域周辺における群発地震が度々確認されていました(京都大学防災研究所・鳥取大学工学部, 2001)(右図@).これらの地震の分布は,2000年鳥取県西部地震の余震分布と重なるように北西方向に直線的に確認されています.このような地震の分布は,伏在活断層を推定する上で重要な手がかりとなります.

2000年鳥取県西部地震以降,鳥取県西部地震余震域の西方約30 kmと約70km2カ所において,北西走向の分布を示す小〜中規模の地震が観測されています(京都大学防災研究所, 2012.これらの地震分布も,伏在活断層の存在を示している可能性があります.

 これら微小地震分布データを参考に,推定される伏在活断層の地表断層露頭を特定し,断層の規模や活動度の評価を行うと共に,山陰地方の活断層(伏在活断層)の特徴を明らかにしていきたいと考えています.

 

<引用文献>

・京都大学防災研究所, 2012, 島根県東部の地震(2011 6 4 Mj = 5.2).地震予知連絡会会報 87, 9-1.

・京都大学防災研究所・鳥取大学工学部, 2001, 鳥取県西部地震(2000 10 6 日,Mj=7.3)に先行して発生した1989 年,1990 年および1997 年の群発的地震活動.地震予知連絡会会報 65, 8-12.

岡田篤正, 2002, 山陰地方の活断層の諸特徴. 活断層研究 22, 17-32

図@1989年,1990年および1997年の群発的地震活動と鳥取県西部地震の余震活動における震央分布の比較.観測点コードを付した+印は,震源決定に用いた観測点(臨時点を含む).KNFを付した実線は,鎌倉山南方断層(確実度III)を示す.京都大学防災研究所・鳥取大学工学部, 2001より

 

 

 

 

炭質物の熱熟成評価に関する研究

 石炭など,堆積岩中に含まれる炭質物は,地熱の影響を受けて熟成します.炭質物の熟成は不可逆反応ですので,その熟成度を評価することができれば,炭質物を含む周囲の地質体が過去に経験した温度を推定することができます.近年,炭質物の熟成度をラマン分光分析によって評価する手法が確立されつつあります.

 本研究室では,他の研究室と協力しながら,ラマン分光分析による炭質物の熟成度評価を,断層の摩擦発熱温度の推定に応用するための研究を行っています.

図1

付加体砂岩中に含まれる炭質物

(矢印部分)

熱熟成に伴う炭質物のラマンスペクトル変化