[みどころ | 交通 | 関連情報 | 指定 | 地質学的な意義] みどころ写真1:切羽から100m下の工場と事務所を望む 馬谷城山のペグマタイト鉱床は、真砂(まさご)花崗岩体とよばれる東西8km、南北5kmの紡錘形をした白亜紀の黒雲母花崗体中央西寄りにそびえる城山(458m)の北東山腹、標高300〜400m付近にあります。鉱体は500m×60mの範囲に、最大の厚さ約40mにわたって分布し、露天掘りが行なわれています。 この鉱山は直径数mに達する巨大な六角錐状の石英結晶(水晶)や長石を産するのが特徴です。かつて、主として手掘りで採掘を行っていた時代には直径10m、長さ17mの六角柱状の水晶が出たという話が伝わっています。現在でも直径数十cm程度はごく普通にあり、1〜2mのものも時折認められますが、採掘に発破を使用するためにこれ以上のものは砕けてしまい、ほとんどその形が残りません。
採掘された石英は珪石として陶磁器原料、ろ過材や建築用材料に、長石は衛生陶器や釉薬(ゆうやく)原料として「益田珪石」「益田長石」の名前で出荷されています。益田長石と益田珪石は釉薬や陶磁器原料としての品質が良く、この分野では有名ブランドです。城山鉱山は大正10年頃、馬谷鉱山は昭和21年に開鉱され、何度かの休止期を経て昭和57年に経営統合されて現在に至っています。 アクセス 所在地とアクセス方法 関連する情報なし 天然記念物などの指定情報なし 地質学的な意義 ペグマタイトとは、数cm以上の大きな鉱物結晶からなる火成岩のことです。マグマが地下でゆっくりと冷えて固まるとき、FeやMg、Caを多く含む重い鉱物から先に結晶化し、後になるほどSiやNa、Kなどの軽い成分が多くなります。花崗岩はこの軽い成分が結晶した深成岩です。マグマの最後に残った成分は水や炭酸ガス、他の元素と反応しにくい元素などが濃集した熱水になります。このような熱水が分離してすでに固結した花崗岩の中に閉じ込められたり、割れ目を充填して冷却すると石英や長石、白雲母などの結晶が大きく成長したペグマタイトが形成されます。 写真5:何層も重なって入れ状態になった水晶(写真の右下が先端部)この標本では、両端面と内部に4層、計6層の平行な結晶面が見られる。
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