[みどころ | 交通 | 関連情報 | 指定 | 地質学的な意義] みどころ八雲風穴は、島根県出雲市佐田町の寺院福泉坊の脇にあり、約450年前の開山当時から、冷風を発する地域として「清涼山」と呼ばれています。 風穴とは、風が通り抜ける洞窟のことで、外部と内部の温度差や風圧により風が通り抜ける特徴があります。自然にできる洞窟は、鍾乳洞や溶岩洞、さらに海食洞などがあります。
八雲風穴は、約1500万年前に海中に流出した溶岩からなる黒山の岩石が、そのふもとに崖錐をつくり、この崖錐のすき間を通り抜ける空気が地下水の気化熱によって冷やされ、冷風となって地表に出ていると考えられます。 温度は八雲風穴施設の地上では1O℃前後、下層で5℃前後であり、年中あまり変化はありません。 1907(明治40)年ごろに屋舎が建てられ、その用途は時代とともに変遷し、近年までは新茶の保存、地元産の特用林産物(しいたけ・栗・わさび・山菜等)一時貯蔵庫として使用されてきました。現在は一般開放され、夏の涼を体験できる休憩施設として利用できます(写真 1)。 また、風穴の下に湧き出ている地下水は「福寿水」として島根名水100選の1つになっています。 アクセス出雲市内から国道184号を南へ約20kmで出雲市佐田支所につきます。そこから、主要地方道湖陵掛合線で車で約5分の須佐神社を経由し、さらに、一般県道三刀屋佐田線で約5分のところにあります(案内看板あり)。 関連する情報出雲観光協会:http://www.izumo-kankou.gr.jp/index.html 出雲須佐温泉ゆかり館:http://www.yukarikan.com/index.html 天然記念物などの指定情報特になし 地質学的な意義周辺の地質は新第三紀中新世久利層流紋岩溶岩及び同質火砕岩で構成されます。久利層は後期白亜紀-古第三紀火成岩類及び波多層を不整合に覆い、川合層と一部指交し、島根半島の成相寺上部に対比される地層です。 佐田町黒山を中心に分布する流紋岩溶岩及び貫入岩は非顕晶質の斜長流紋岩で、斑晶は斜長石や変質した苦鉄質鉱物、磁鉄鉱、アパタイトの斑状結晶と、斜長石、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、アパタイトなどの微結晶、ガラス(仮像)、隠微晶質(クリプト結晶質)結晶からなります。産状は流紋岩火砕岩や泥岩を貫きその上にドーム状に群をなして噴出している場合や、東北東−西南西方向の岩脈で分布しています。 |