大山登山のレポート                     

S072026 園山 智和

 

 

実施日程    20101012            天候 快晴気温1520℃)

メンバー    汪先生、杉浦さん、園山

服装      帽子、長袖・長ズボン、歩きやすい靴

登山の行程   上り→夏山登山ルート、下り→夏山登山ルートで途中から行者谷ルート

 

詳細

 

10:00 夏山登山ルート出発(上り) → 11:2011:30 6合目(標高1368m)で休憩 → 12:00 標高1500m通過 → 12:30 弥山(標高1709m)頂上に到着、昼食休憩 → 13:00 出発(夏山ルート下り)→ 13:30 6合目で休憩 → 14:00 行者谷ルート  15:30 下山

 

 

 この日は、中国地方最高峰の大山(1726m)の登山をしました。大山は180万年前から50万年前にかけて噴火形成された成層火山である古期火山の上に、5万年~1万年前にかけて成長した巨大な溶岩ドームである新期大山から成っています。裾野はとても広く、北側は日本海まで達しています。また、植生も豊かで、下は西日本最大級を誇るブナ林から、潅木帯、そして上は国の天然記念物であるダイセンキャラボク群落へと変化していきます。

今回は北壁側の夏山ルートからスタートをして、大山で2番目に高い弥山(1709m)に登りました。気温は15℃~20℃で、天候にも恵まれたため、とても快適な登山となりました。

 登山道では、やや赤色で石英を含む安山岩(デイサイト質溶岩?)の転石が見られました。4合目付近までは小石サイズの小さいものが多く、5合目付近からやや大きめでひび割れの入ったものが多く見られました。

 6合目の避難小屋付近からは、北壁の崩壊の様子を見ることが出来ました(写真1)。北壁では山頂付近から多数の崩壊が発生しており大きな沢を作っています。高低比約400m、幅約2kmととてもダイナミックで、北壁が男性的と表現されるのもうなずけると思います。

 

写真1:6合目から見た北壁

 

 

北壁の上部は急勾配の斜面になっており、下にいくにしたがってだんだん傾斜はゆるくなっているようでした。上部は大きな角礫が多く透水係数が高いため、下部にいくにしたがって細かくて水分量が多いためにこのようになっていると考えられます。また、中腹には崖錐が約40~50°で安定している箇所がありました。

 大山ではこのような谷に多数の砂防(渓間工)が造られており、上から流れてくる土砂を止めています。このような渓間工は大山に206基設置されています。渓間工は谷の上部ほど狭間隔で設置されており、下にいくほど間隔が広く設置されています。大きな岩石を堰き止めて水だけを排水する、砂防ダムの役割をはたしています。

 弥山頂上付近からは、南側斜面も観察することができました。南側斜面も大規模な崩壊が見られました(写真2)。

 

写真2:弥山から撮影した南壁

 

 

 弥山から最高峰である剣ヶ峰へ向けての縦走ルートがあるのですが、度重なる崩壊、特に2000年鳥取県西部地震による崩壊によって登山道はやせ細っていて、立ち入り禁止になっていました。ちなみに、この地震では弥山の標高が1711mから1709mに2mほど低くなったということです。

 下りでは途中から行者谷コースへ入りました。これは、北壁の谷が1つになる元谷というところを通るルートで、正面から北壁の崩壊を見ることができます(写真3)。

写真3:元谷から撮影した北壁の拡大画像

 

 

このコースの一番下側付近では、大神山神社奥宮や大山寺などもあり、文化的な面でも楽しめます。

 今回の登山でもう1つ気になった点として、大山では、登山口付近にある石置き場から頂上へ登山者が1人1つずつ石を持ってあがる運動があるということがありました(図1)。

これは、「一木一石運動」というもので、大山から崩落した石を、登山者に一人ひとつずつ持って山頂に登ってもらい、その石で浸食溝を埋めたり、植物の苗を植え、コモをかぶせて保護したり、木道を整備して踏み荒らされないようにすることで、一度失われてしまった緑を復活させ、大山の山頂を崩落の危機から守っていこうという取り組みです。

 大山の美しい姿を次の世代へ残そうとする人々の想いから始まった運動ではないかと思いますが、崩落した石をまた元の場所へ戻すということは、例えば、再び崩壊するという可能性が大きくなるなどのマイナス面も多いのではないかと感じました。

しかし、人間が大山に入山するようになってから後に人間の手によって山を荒らしてしまったという面もあるだけに、どちらが正しいのかについて議論するのは難しいことだと思います。

 

 

図1:一木一石運動の看板(大山町ホームページから引用)

 

 

大山のスケッチ

 

 

 

番外編~おまけ写真

 

 

写真:8合目付近から米子方面を眺める

 

 

写真:元谷付近の渓間工

 

 

写真:登山口近くで買った登山弁当(700)

 

 

写真:大神山神社奥宮

 

 

写真:中学三年生のときの大山登山(2003年)

 

 

写真:上の写真と同じ現場は現在縦走が制限されている